ミツモチ山   標高1,248m


 平成17年6月25日、今日は土曜日。
梅雨の最中だが、天気は良い。

 今日の予定は、栃木県の高原山(たかはらやま)と言うより「鶏頂山(けいちょうさん)」と言ったほうが分かりやすいと思うが、ここにはツツジの名所「八方ヶ原」がある。
 その八方ヶ原の下見と、更に鶏頂山を横断して塩原温泉に下り、藤原町の三依にある「上三依水生植物園」に行く予定を立てた。

 上三依水生植物園には、一度は見てみたいと思っているヒマラヤ原産の「ブルーポピー」が咲いているという記事を2.3週間前にネットで見つけたのだ。
 今となっては咲いているのか不安もあるが、取りあえず行ってみることにした。

 午前6時に目覚ましをかけたが、実際に起きたのは8時半、支度をして9時過ぎにアパートを出発した。

 宇都宮から国道4号を走り、矢板市に入る。
矢板市街を抜け「泉」の交差点を左折、いよいよ鶏頂山を登りはじめる。

 かなり急勾配の道で、愛車クリスティーヌ号はアクセル全開、唸りながら前に進む。
八方ヶ原に到着すると、以前とはだいぶ変わっていた。
まず、学校平に「道の駅・たかはら」があった。

 ここで情報を仕入れる。
入り口にはパンフレットとインフォメーションコーナーがあったので、少し話しを聞いた。

 みきは平成15年10月31日に、県民の森からミツモチ山に登ったことがある。
この時は、他のハイカーには出会わなかった。
熊が出る…と聞いていたので、熊除けの鈴を一生懸命に振りながら単独行した記憶がある。

 八方ヶ原のパンフレットには、ミツモチ山へは1時間と書いてある。
1時間なら登ってみたいと思ったが、あいにく今日は、まったく山行の支度をして来ない。
 熊についても聞いてみたが、「県民の森側にはいるようですが、こっちでは聞きませんね」と言うことだった。

 熊にも手足があるので、山の中を食物を探して移動しているのだろうから、出会わない保証はない。
だから、係員は「熊はいません」とは言わず、「こっちでは聞きませんね」という言い回しをしているのだろう。
 久しぶりに正しい日本語を聞いたような気がして、妙に納得してしまった。

 道の駅の奥へ行くと小さな駐車場があったので、みきはここで昼食にした。
おにぎりなんか作るのは簡単だ、みきはいなり寿司だってちゃんと作れるのだ。
 最近は鮭の入ったおにぎりがすごく気に入っている。

 昼食も終わり、道の駅を後にして、つつじの群生地「大間々」の駐車場に到着。
係員の言うとおり、つつじの盛りは過ぎてほとんど咲いていなかった。

 駐車場にあるハイキングコースの案内板を見ると、ミツモチ山へは「青空コース」と「やしおコース」があると書いてあった。
 取りあえずデジカメだけを持って登山口あたりの下見をしてみる。
歩き出すとすぐ左手に「やしおコース」の入り口があった。


                         大間々にあった案内板

 見てみると、ずーっと下り坂になっている。 
山に登るのに下るということは、その先には下った以上の登りが待っているということは容易に想像がつく。 
「やしおコースはパスだな」と心の中でつぶやき、さらに歩いていくと、今度は右手に「剣ケ峰」への分岐があった。
 登山カードを提出するようになっている。

 今歩いている所は「青空コース」と言われ、普通車1台が通れるよう程度の砂利道になっている。
そういえばミツモチ山は、以前「牧草地」だったそうで、県民の森側から登ったときも、同じような砂利道がずーっと山頂まで続いていた。

 この先はどうなっているんだろう、という興味がどんどん先へと足を運んでいく。
熊に出会わないよう、一生懸命に咳なんかしながら歩いている自分が可笑しい。
 しかし、熊除けの鈴の代わりになるものは何にも持ち合わせていないのだから仕方がない。

 歩き出して30分になる頃、ご夫婦のハイカーに出会う。
更に少し過ぎる頃、違うご夫婦のハイカーとすれ違う。
その後、初老の単独行の男性ハイカーとすれ違う。

 歩き出して40分。
砂利道は登るどころか少しづつ下り始めた。
山に登っているのに道が下るとは不思議だ。

 砂利道の脇にベンチがあり、彼女いない歴27年… と思われる男子が2人、おにぎりを食べていた。
みきはまだ、彼女いない歴3年だが、男を見る目は確かだ。

 一人で歩いていると、途中でハイカーに会うと話しかけたくなる。
さっそくみきは話しかけた。

みき 「こんにちは、どっちの方から歩いてきたのですか?」
男子 「県民の森の第一展望台に駐車して、ミツモチ山頂を経由し、ここまで歩いてきました」

みき 「この先へ行くと八方ヶ原に行きますが、どうやって車に戻るんですか?」
男子 「来た道を戻る予定です」

みき 「ここからミツモチ山へはどの位かかりますか?」
男子 「20分くらいでしょう」
みき 「駆け足… で、ですか?」(笑)
男子 「いや、普通に歩いて…ですよ」(笑)

みき 「そうそう、剣が峰には登ったことありますか?」
男子 「ありますけど、かなり登りもキツイですよ」

みき 「キツイですか…」
   「どうも有難う」


 相変わらず砂利道は、少しづつ下っている。
さらに歩いていくと、目の前に小さな丘が見えてきた。
砂利道はこの丘の右側を巻きながら続いている。
「ひょっとしてこの丘がミツモチ山なんだろうか?」

 すると目の前に見覚えのあるベンチがあった、あぁ、ここが山頂直下の休憩所だ。
ここから50mほど登ると山頂へ到着。


                      ミツモチ山頂の展望台

 山頂には、木製の展望台が設置されている。
展望台で少し休憩するが、もとより歩く気もなかったので、持ってきたのはデジカメと、ポケットに入っていた汗拭きだけ、飲料水など一滴もない。

 考えてみると、今まで登山道は登って山頂にたどり着くのが普通だった。
でも、ここミツモチ山は下りながら山頂に着いたのだ。
ほとんど砂利道を登った記憶がないのだ、まったく不思議な山である。

 今日は下見に来たので、帰りは「やしおコース」を歩くことにした。
やしおコースは山の中。


                    山頂直下にあった案内板

 ぬかるみにはニホンジカの足跡が残っている。
それもしっかり残っているから、さっきシカが歩いていったのだろうか。

 飲料水を持っていないので、喉はカラカラ。
途中、ちょろちょろと湧水が流れている場所発見!

 しかし… あまりにも少ない水に、ほとんど飲むことが出来ない。
やっとのことで水を飲む、うまい!
こんなに美味い水なんだから、顔に付けたら「しわ」なんかも取れるかも知れないぜ!(爆)

 やしおコースは登り下りを繰り返しながら進んでいく。
駐車場手前の、登り道を歩いていると遠くで雷の音がしてきた。
もちろん雨具など持ち合わせていないので、急いで駐車場へ戻った。

 みきが駐車場に戻ってまもなく、大粒の雨が降りだした。
今、午後3時10分。

 車の中にあったペットボトルの飲料水を一気に飲んだが、喉の渇きは収まらない。
雨の中、道の駅へ行き缶コーヒーを買って飲む。
雨はますます強くなり、車に戻ることも出来ない。

 今から塩原温泉に下って、更に三依へ行くと1時間以上かかるだろうから、水生植物園に行っても無駄足になるかもしれない。
とにかく今日は、八方ヶ原の下見とミツモチ山ハイキングが出来たので満足であった。

 雨が小降りになるのを待って帰途についた。